
男性でもできる?
ヘアドネーションをするにはかなりのロングヘアが必要となりますが、男性でも参加できるのでしょうか。ここでは男性で参加した方からの口コミや、ボランティアに参加していることを周囲に知らせるヘアドネーションバッジといった取り組みについてまとめています。
ヘアドネーションは男性でもできます
結論から言うと、男性でもヘアドネーションへの参加は可能です。長さが31cm以上であることや、過度なダメージがないといった条件を満たしていれば、老若男女・人種に関わらず髪の毛を寄付することができます。
髪を伸ばしている期間、人の目が気になる?
ヘアドネーションは、性別や国籍に関わらず、誰でも参加できるボランティア活動です。もちろん男性の参加者もいますが、日本でヘアドネーションを主催しているJapan Hair Donation&Charity(ジャーダック)によると、男性からの寄付は全体の10%ほどとなっています。
大人の男性の場合は、髪型を比較的自由にできるフリーランス、エンジニア、ミュージシャン、芸術家といった職業の人がほとんど。周囲の人も、その人の趣味趣向に対してとくに何かを言うことはないようです。
小中学生の男の子でもヘアドネーションへの参加は可能ですが、大人に比べると少々事情が異なります。ヘアドネーションに興味を持ち「参加したい」と思う子どもも多いのですが、ヘアドネーションに必要な長さは最低でも31cm以上。男の子はもともと短髪であるケースが多いため、一般的には女の子よりも伸ばすのに時間がかかります。
その間に、周囲の子どもたちから「からかわれる」「女の子みたいと言われる」といった問題が発生することも少なくありません。また、校則で「男子生徒は髪を短く切らなければならない」と決めている学校も存在します。
「私はヘアドネーションをしています」を伝える「ヘアドネーション バッジ」
男性の場合、どうしても女性より髪を伸ばしている理由を尋ねられる機会が多くなりがちです。聞かれるたびに細かく説明できればよいですが、ひと目で「ヘアドネーションに参加している」ことを分かってもらえれば面倒がありませんよね。
そんな方のために考案されたアイテムに、「ヘアドネーションバッジ」があります。これはヘアドネーションに参加していることを他人に知らせるためのもので、発案・製作者は東京都内に住む女子中学生。「300個の缶バッジを作って、ヘアドネーションマークを性別・年齢関係なく広めたい!」という思いから、2019年7月1日~30日にかけてクラウドファンディングへ参加。その結果、「I do hair donation(私はヘアドネーションをしています)」という英文が記されたバッジを製作することができました。
このような活動によって現在ではヘアドネーションの認知度が高まり、男性を含む参加者の背中を押す取り組みも年々増えてきています。
男性でヘアドネーションを行った人の口コミを紹介
4年半伸ばし続けた髪の毛を寄付した、写真家の男性
東京でカメラマンをしているTAISHOさんは、17年ほどロングヘアーを続けているロン毛愛好家。17年のうちで短髪にしたことはあったそうですが、そのときにはヘアドネーションという物の存在を知らず、髪の毛を切ってしまったことを後悔したそう。次に髪の毛を切ることになったら、ヘアドネーションで髪の毛を寄付しようと心に決めていたとのことです。
4年半伸ばし続けた髪をヘアドネーションカットをしたところ、本数にして15本の束に!これをレターパックに入れて投函したところ、「ついにか」というどことなく悲しい思いがこみ上げてきたそうです。髪の毛があるということは決して当たり前のことではない、この取り組みの重要性は確かにあると感じているTAISHOさん。ヘアドネーションそのものの認知度や、男性からの寄付がもっと広がるのを心から願っているとのことです。
※参照:4年半伸ばし続けた髪の毛をほぼ全て寄付した話【男性ヘアドネーション】 https://note.mu/taisho_jp/n/n0323172cfd1d
長期旅行中に伸ばした髪をバッサリ
トラベルライターの三矢英人の体験談です。ずっと短髪だった三矢さんですが、海外の長期旅行中に髪を切るのが怖かったため、1年以上髪を切らずに伸ばし続けたそう。すると、その髪を見た日本人旅行客に「それだけ長さがあるのなら、ヘアドネーションをしてみたら?」と言われ、活動の存在を知りました。
三矢さんはそれから帰国するまで髪を伸ばし、日本でヘアドネーションカットを行いました。その後の感想は、「1度に30cm以上も髪を切るなんて女性でもなかなかない経験、純粋に貴重な体験ができた」とのことです。
3回の寄付を経験しているヘアドネーション男子
小説家の高橋文樹さんは、2009年ごろからすでに3回の寄付を行っているヘアドネーション男子。今回は4年にわたって伸ばし続けた髪をバッサリ切り、ヘアドネーション団体へ寄付を行いました。高橋さんの場合は「ロングヘアーの男性が寄付をしている」というよりは、「男性が寄付をするためにロングヘアーにしている」といった意識の様子。小説家という仕事柄、髪型で怒られたり注意されることもないため、とくに困ることはないとのことです。「とくにやりたい髪型がない」といった方は、物は試しでやってみてはどうでしょうか、というのが高橋さんの考えです。
ちなみに高橋さんの感想としては、ヘアドネーションの認知度が高まっているからか、ドネーションカットをしたことのある美容師さんも増えているとのこと。美容院へ行く際には、ヘアドネーション団体のホームページに記載してあるカットの仕方を美容師さんに見せ、その通りに切ってもらうのが手っ取り早いそうです。
まとめ
ヘアドネーションへの参加に、性別・年齢・人種は関係ありません。男性でもヘアドネーションの考えに賛同し、髪を伸ばしている人も多くいます。
そもそもヘアドネーションに限らず、男性が髪を伸ばしてはいけないという決まりはありません。ひとりでも多くの男性がヘアドネーション宣言をすることにより、この偏見も少しずつ改善されていくことでしょう。
そういう意味でも、勇気ある男性のみなさんの行動は非常に価値あるものです。この活動が社会のためになっていくという誇りをもって、堂々とヘアドネーションに参加して欲しいと思います。