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ヘアドネーションから医療用ウィッグができるまで

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医療用ウィッグができるまで

ヘアドネーションで集まった髪の毛は、どのようにして医療用ウィッグと生まれ変わるのでしょうか。ここでは、医療用ウィッグができるまでの工程をひとつひとつ詳しく解説していきます。

STEP.1 ドネーションカットされた髪の毛が、ヘアドネーション協会に届く

ヘアドネーション団体の事務所に髪の毛が届く

参加者から送られた髪の毛がヘアドネーション団体へと届き、1通1通大事に開封されます。

髪の毛の仕分け

髪の毛と一緒に送られてきたドナーシートの情報を確認しながら、髪の長さ、カラーリングの有無などで仕分けをします。髪の長さは31cm以上が基本ですが、測ってみて長さが31cm未満であった場合は、美容師の練習用マネキンやシャンプーなどの開発会社に「評価毛(試作用の髪)」として販売。ウィッグ製作費の一部として役立てられるそうです。

同封されているものの確認

髪の毛と一緒に送られてくる、ドナーからの手紙や受領証発行のための返信用封筒を確認します。手紙ついては多忙で返信はできませんが、1通1通大切に目を通しているそうです。

受領証を発送

「髪の毛を受け取りました」という受領証を発行し、同封されていた返信用封筒に入れて返送します。受領証は、髪の毛が事務所に到着してから約1ヶ月で発送されるとのことです。

個人情報の処理

髪の毛が入っていた封筒やドナーシートの個人情報を適切に処理します。団体によってやり方は異なりますが、JHD&Cではヤマトロジスティクス(ヤマトホールディングスの子会社)が提供する「機密文書リサイクルサービス」を利用しているそうです。

STEP.2 工場で髪の毛をトリ―メント処理する

ここでは、ヘアドネーションの料金面でのメリットについてご紹介します。

1.キューティクルを取り除く

専門の工場に運ばれた髪の毛は、特殊な化学薬品に浸け込まれ、キューティクルが取り除かれます。キューティクルとは髪の表面にある硬いたんぱく質で、うろこ状に並んでいるのが特徴。このキューティクルを薬品によって取り除くことにより、髪の毛を扱いやすい状態にします。また、この処理により、毛先・根元の向きに関わらずウィッグの素材として利用できるようになるのも特徴です。

ちなみに、ダメージの大きい髪の毛は薬品で溶けてしまうケースがあるとのこと。髪の毛にダメージを与えずにキューティクルだけを取り除くには、長年の経験が必要となるそうです。

キューティクルが取り除かれたら、髪の毛のpH(ペーハー)を整えるための中和作業を行います。pHとは水素イオン濃度のことで、酸性やアルカリ性の程度を示す数値です。この中和作業が終わると、髪のトーンが明るくなりますが、まだ質感や色味はバラバラの状態となっています。

2.染毛する

中和作業が終わったら、髪の色を染める染毛工程に入ります。染毛剤が入った釜の中に髪の毛を漬け込み、揉みほぐしながら色を染めていきます。染め上がった髪の毛は水にさらし、染毛剤をよく洗い流します。

3.髪の毛をほぐして束ねる

髪の毛が染め上がったら、絡まった髪の毛を水で何度もすすぎながら手作業でほぐしていきます。この段階で髪のキューティクルは取り除かれているため、絡まっている髪の毛もほぐれやすくなっているそうです。それでも、髪をほぐす作業には気が遠くなるような時間が必要とのことです。

染毛が終わった髪の毛を解きほぐし、一定量の束にしてゴムでまとめていきます。複雑に絡まっていた髪の毛は、この段階でキレイなストレートになります。薬品を使った作業は、ここまでで終了です。ちなみにキューティクルを取り除くために使った酸性の薬品が入った水は、タンクに溜めたのちに石灰と混ぜて中和。しっかりと無害化してから、廃水処理業者に引き渡されるとのことです。

4.脱水・乾燥

次は脱水作業です。ゴムでまとめられた髪の毛は、専用の脱水機で水分を取り除かれます。前の段階でゴムでしっかりと結わいているため、脱水機の中でバラバラになることはないそうです。脱水が終わり、髪質・色味ともに均一化された髪の毛は別の作業場へと運ばれ、乾燥プロセスへと移ります。

別の作業場とは乾燥作業場(ドライプロセス)のことで、ここで濡れた髪の毛を乾燥させていきます。作業場の天井はガラス張りとなっており、太陽光を使って乾燥させるのが特徴。小分けにされた台の上に、雑菌が繁殖しないようスピーディーに髪の毛を並べていきます。並べ方に厚みが出ると雑菌繁殖の原因となるため、なるべく平らに干すのがポイントだそうです。乾くまでの時間は天気にもよりますが、丸1日あればほぼ乾燥するとのことです。

5.梳毛(そもう)

梳毛(そもう)作業とは、髪の毛をブラッシングするのに似た作業です。化学処理を終えて乾燥させた髪の毛を大きな剣山に似た道具でとかし、表面についている汚れやゴミなどを除去。同時に、髪の毛にツヤを与えていきます。

6.選毛・仕分け・検品

梳毛作業が終わったら、選毛作業に移ります。選毛作業とは、髪の毛の状態や長さといったカテゴリー別に髪の毛を仕分けていく作業のこと。専門の職人さんが、1束1束の髪の毛を見て髪質・長さなどに合わせて選り分けていきます。このとき、剣山のような道具で髪を漉き、ツヤを出していくのも特徴です。薬品で化学処理された髪の毛はキューティクルがない状態なので、根本も毛先も同じ状態。髪の向きがどちらになっても、ウィッグ用の素材として問題なく使用できます。

選毛作業が終わったら、髪の毛の束を職人さんがひとつひとつ丁寧に検品していきます。検品作業でチェックするのは、色の違う髪の毛が混ざっていないか、髪がヨレていないか、ゴミなどが混入していないかどうか。この段階まで来ると髪の毛にはかなりのツヤが出ており、毛束のクオリティーがだいぶ高まっています。

7.整毛・結束作業

検品された髪の毛は、整毛処理という工程に移ります。整毛処理とは、髪の毛を整えて束にし、その束を結束しやすいように並べること。さらに、細かい長さに分けて揃え、均一に整えていきます。こうしてさまざまな人から寄付された髪の毛は、髪質・色・長さが均一化され、医療用ウィッグの素材として生まれ変わっていくのです。

最後に、結束作業です。医療用ウィッグの素材として生まれ変わった髪の毛は、20人分くらいの髪の束に結束されます。ちなみに専門の職人さんは、手の感覚だけで同じ量の束に結束できるとのことです。

STEP.3 子どもたちからウィッグ作成へのお申込み

ウィッグを必要とする子どもたちから申し込みがあったら、メジャーメントの予約を受け付けます。メジャーメントとは、頭のサイズを細かく採寸すること。このメジャーメントによって得られた数字は、オーダーメイドウィッグを作るための重要なデータとなります。

メジャーメントのやり方はそれぞれのドネーション団体で異なりますが、JHD&Cの場合は全国にあるアデランスの店舗を利用しているとのこと。プライバシーに配慮された個室を使用するため、周囲の目を気にせずに採寸できます。メジャーメントは専門の担当職員が出向き、1人ずつ手作業にて採寸を実施。このとき、どのような髪型にしたいかを相談することもできるそうです。

メジャーメントが終わったら、そのデータをウィッグの製作担当者へ送付。ウィッグの製作工場に到着したトリートメント済みの髪の毛をもとに、オーダーメイドの医療用ウィッグが作られます。

STEP.4 医療用ウィッグの製作

医療用ウィッグメーカーに発注。メーカーの工場で縫製、手縫い用のベースネットに、職人が一本一本、手で毛髪を植えこむ作業をしています。

STEP.5 ウィッグの検品・発送

到着したウィッグは、ヘアドネーション協会の事務局員が念入りに検品します。ひとつずつ宛先を確認し、ウィッグを待つ子どもたちへ発送します。

STEP.6 子どもたちの元へ到着。スタイルカットをする

申込者のもとに、ウィッグが到着します。ウィッグを受け取ったら、ウィッグを好きなヘアスタイルにカットします。ヘアカットは、ヘアドネーション協会の「スタイルカットサロン」登録店や、ウィッグカットができるサロンで申し込むことができます。

まとめ

ヘアドネーションで集められた髪の毛は、多くの人たちが関わり、そのバトンをつなぐことで子どもたちのもとへと渡っていきます。ヘアドネーションに関わる人は、誰もが「子どもたちのために」という誇りを持ってそのバトンをつないでいるのです。

ヘアドネーションは、基本的には誰にでもできるボランティアのひとつです。あなたもヘアドネーションに関わり、子どもたちへバトンを渡すお手伝いをしてみませんか?